紅白歌合戦に抗議する人々

 大晦日も年を越してからも、ろくな番組をやっておりませんな。子供の頃は年末・正月のテレビはおおきな楽しみであったわけですが、こちらが歳をとったせいかテレビ局が我々世代向けには番組作らなくてオッケーと思っているせいか、あるいは世間一般の人々と自分自身のウケ・メーターに大きなずれが生じているせいかわかりませんが。  で、大晦日。格闘技の番組もありましたが、さすがに5時間続けて、煽りやVTRまでひっくるめて見る気はしない。ので、とりあえず録画しておいてあとで飛ばし視聴。ほかにめぼしい番組はなく、教育テレビでやっていた第九などをみたりするわけです。しかし第九ってのもなあ。今年ならばのだめ人気にあやかって七番をやったほうが視聴率いいんじゃないだろうか。そうもいかんのか。なぜ日本では年末といえば第九なんだろう。謎です。  しかし第九見て年越しってのもニホンジンとしていまいちアレなので(アレって?)、いちおう紅白も見ておくことにする。後半だけみれば義理は果たしたといえよう。誰に対する義理なんだかわからんがな。  それにしても知らない人ばっかりである。若者うけする歌手のみなさんはもちろんですが、古い人だってよくわからない。若者系の歌手は妙にラップっぽいのが多かったです。あれが流行りなんでしょうか。どうせやるならもうちょっとちゃんと韻を踏めばいいのに。  ラップといえばDJなわけですが、その名も「DJ OZMA」というひとも見ました。DJと呼ぶにはずいぶん寒い歌でしたがきっとヒットしているのでしょう。私は知りませんでしたが、ナウなヤングには大ブレイク中なのであろうと推察します。  大勢のダンサーを従えて、たいそうにぎやかな演出でした。さすが紅白、お祭りですから小林幸子の衣装も紙吹雪も舞台装置も、金かけておおげさにやればオッケーです。  さてその歌(なんという歌か知りませんけど)が進むうちに、ダンサーたちの衣装もくるくるかわっていったりします。女性が上半身裸に――なったかのように見えました。一瞬わたしもびっくりです。理性では「民放だっていまどきかなりの深夜枠じゃなきゃおっぱいポロリはやらないだろう。ましてやNHKが、しかもこんな早い時間にやるわけがない(いや時間の早い遅いは関係なく、NHKではありえないでしょうけど)」と判断しているのですが、それにしては陰影がなかなか。画面に近づいて、それが衣装だということがわかります。会場で見ていたひとは「うあー、脱ぎよった」とか思ったんでしょうかね。そう思えたならばそれはそれで幸せな大晦日だったと思います。  そんなハプニングともいえないようなハプニング(みそら事件とかマイク倒し事件とかに比べれば、ねえ)の、しばらくののち。総合司会の三宅アナが登場して、なにやら弁明しています。さっきのDJ OZMAの歌でダンサーが裸になったんじゃないかという問い合わせが来たけどそんなわけねえだろ馬鹿あれはボディスーツだったんだよよく見ろボケ、というような内容のものでした。  えー。  えー。  なにそれ。そんなことを、いちいち、電話代払って、問い合わせたり苦情いったりするんですか。  アホか。そこまで平和かこの国は。  そして翌朝の新聞には苦情が250件という記事が載りました。  えー。 「裸」演出、番組内で謝罪 NHK紅白歌合戦(asahi.com:文化芸能) 31日夜に放送されたNHK紅白歌合戦で、「DJ OZMA」と出演した女性ダンサーの上半身が裸に見えるような演出があり、総合司会の三宅民夫アナウンサーが番組内で「ボディースーツを着用していたが、誤解を与えて申し訳ない」という趣旨の異例のおわびをした。  NHKによると、終了までに問い合わせなど約250件が寄せられた。NHKは裸に見えたのはすべてボディースーツだったとしたうえで、「裸と見間違いかねない姿になるのは演出側は知らなかった。紅白のテーマにふさわしくないパフォーマンスだったと考えている」とコメントした。DJ OZMAは「リアルに作り過ぎたかな」と報道陣に語った。  問題の場面は同日午後10時20分ごろに放送された。直後から「裸ではないのか」「ボディースーツとはいえ、子どもの見ている時間にはふさわしくない」などの指摘があったという。 うわ、つい全文引用してしまったよ。 「上半身が裸に見えるような演出」ね。最後のところでパンツ脱ぐ(股間には飾り。もちろん“ボディスーツ”の上から)演出もありましたけど、そっちはオッケーだったのかな。まああれはもっとあからさまに「うそ裸」だったけどね。  NHKのコメントもおもしろいなあ。「裸と見間違いかねない姿になるのは演出側は知らなかった。紅白のテーマにふさわしくないパフォーマンスだったと考えている」。紅白のテーマにふさわしいパフォーマンスってどんなんだろう。小林幸子の電飾衣装は紅白のテーマにふさわしいんだろうか。よくわからない。  苦情電話した人もなあ、「ボディースーツとはいえ、子どもの見ている時間にはふさわしくない」そうだが、その子供ってのが何歳か知らないが、10時20分まで起きていていいんだろうか。大晦日だからいいの? へえ、そういうことなら、大晦日ぐらい裸(もどき)をテレビに出してもいいじゃんか、ねえ。だいたい今時のガキが、あの程度の裸(もどき)をみて驚いたり興奮したり性犯罪に走ったりなんかするもんかい。  そして年が明けても抗議は続く。 NHK演出大失パイ 「DJ OZMA」に猛抗議750件(スポーツ報知:芸能)(略)  抗議は、大みそかだけで約250件。元日になってからも約500件が殺到し、同日午後11時までに計750件。この件数は、NHKの視聴者コールセンターに電話で寄せられたものだけで、つながらなかった場合や地方局などへの電話などを含めると、トータルでは相当数に及ぶことになる。(略) ええとなんだかんだで750件。きっと今頃は1000件ぐらいいってるのかね。  正直、あのパフォーマンスとやらが――たいして面白いものでもなく、幼稚であったとも思うが――そんな問題にするほどのことかは疑問だ。しょせんあの程度のパフォーマンスが去年ヒットして、NHKとしては紅白に出したかったってことでしょ。  だったらいいじゃないの、偽おっぱいの一つや二つ見せたって。あんたらの子供はそれほどまでに無菌化された環境にいるんですか。もしかしてカトちゃんの「ちょっとだけよ」を見て育った俺らはものすごい変態になっちゃったんでしょうかね。  それにしても皆さん暇だよなあ。抗議するなら、もっと“抗議すべきこと”があるんじゃないのか。苦情いうべきは、なにかべつのことではないのか。750人とっつかまえて、ぐりぐりと頭を壁におしつけたり耳を引っ張ったりしながら、そのあたりのことを優しく問いただして見たい気もします。  でもまあ往々にしてそういう皆様は、We are 良識派、I am a 善良な市民、などと思いこんでおり、自分たちがどれだけ恥ずかしいか痛いかみっともないかということには気づかないので無駄ですね。だって彼ら彼女らは“ただしい”んですもん。ただしい自分が非難されることはありえないと思っている。ただしいから恥ずべきことではないと思っている。ただしいことしてるのに嗤われるなんてことはおかしい、嗤ってるほうがおかしい、という理屈が脳内で構築されて、ただひたすら“ただしい自分”に酔い痴れるわけです。なにをいわれても、こたえないのです。しあわせだよなあ。  いや、ほんと、お正月にふさわしい、おめでたいニュースでありました。 【追記】 そうそう、今年も(去年も、か)SMAPの歌はへたっぴでした。年々下手になってないか、この人たち。そろそろ解散なり活動停止なりして、歌なしのタレントユニットに移行したほうがよいのではあるまいか……。...

JPN2-2GER

 というわけでもうすぐワールドカップである。でもってその直前の練習試合っつうか親善試合である。なにしろヨーロッパってのは遠いので時差がある。あっちの午後がこっちの夜中だったりする。日本代表はまずはドイツと、そしてマルタと親善試合を行うのであった。  ドイツ戦はもう終わっている。みんな結果を知っている。今さら書くようなことはとくにない。負けなくてよかった。でも勝たなくてよかった。どうも「勝っちゃうと調子に乗って油断する日本代表」というイメージがある。2002年のトルコ戦とかな。  もっとも「負けて自信喪失して、やっぱりダメダメになってしまう日本代表」というイメージもあるわけだが。  だから引き分けでよかったよかった。高原くんが点を入れたのもよかったよかった。ああ、あの人はフォワードだったのですねと思い出させてくれてよかったよかった。中田くんも熱くなっていたようでよかったよかった。2点目の知らんぷりスルーはステキだった。加地くんが怪我をしたのはよくなかったよくなかった。こら、なんとかタイガー、親善試合なんだからあんまり無茶すんな。でも代わりに出た駒野くんもがんばっていたのでよかったよかった。  それにしても、ゲルマン民族大きすぎだよなあ。ズルい。  よくないのはテレビである。  ドイツ戦はテレビ朝日が放送した。民放という時点で多少の危惧はあった。  新聞には、日本時間午前3時半から、と書いてある。日本時間というぐらいだから日本の時間だ。ワタクシが所有している目覚まし時計(電波くん)の時間である。頼んだぞ電波くん、というわけで3時半起床である。5時半ぐらいに終わるから二度寝すればいい。午前中は休みだ。そこまでして見る必要があるのかどうか、一瞬疑おうかなーと思わないでもなかったが、やめておく。4年に一度のお祭りだ、気にしない気にしない。4年に一度のお祭りはほかにオリンピックと冬季オリンピックなどがあるが、気にしない気にしない。  それはさておき。  テレビをつけるわけだが、放送などしていないのであった。いや、まあこれは言葉のアヤだ。誇張だ。むろん新聞のテレビ欄で確認している。4時半からだってな。ほう、そうかい。録画かい。本日の深夜、3時4時にテレビをつけて視聴する連中というのは、まあかなりのサッカー好き、もしくはワタクシのようなお祭り好きであろう。他には誰も見ていない。他局との競合も考えなくてよい。マニアックな放送だってウェルカムだ。  なのになぜ録画。素直に3時半から放送しろよ。多少の放送事故はご愛敬だ。あれが「ああ、電波くん(こちらは放送のほうね)も頑張って飛んできたんだなあ、でも音声ちゃんがヒマラヤ山脈にひっかかっちゃったのかなあ」というライブ感を盛り上げてくれることもある。  で、放送は4時半から。1時間待ちですか。まあ、あれだ、選手の乗ったバスが渋滞で遅れてるってことにしよう。  東京のスタジオではうるさい川平くんとセルジオ越後さんが。そして現地には角沢くんと松木さんが。  え……。  まさか、やるの? この夜中にやるの? あの民放名物「ひっぱれひっぱれ大行進」をやるの? こんな、時間なのに? ゴールデンタイムとかじゃなくて、深夜、いやむしろ明け方ですよ。まさか、ねえ。そんな。  やりやがった。  このあと注目のスターティングメンバーの発表です! はいコマーシャル。まもなくキックオフ! はいコマーシャル。  なにがスタメン発表ですか。なにが「まもなく」ですか。もうやってんじゃん。始まってんじゃん。ニュースとかいらないじゃん。30分引っ張って、なにがうれしいのかなあ。テレビ局様ってそんなにえらいんですかね。  ちゅうわけで試合開始は5時だ。えらい渋滞だったねえ。  0-0で前半折り返し、ハーフタイムです。もう外はだいぶ明るいよ。爽やかな朝だなー。今日の天気はどんなんかなー。ちょっとチャンネル替えてみるかなー。  日テレ。なんていうのかしらないが朝のニュースショー(あの手の番組はめったに見ないからどれがどれやらわからん)。画面右上には「高原大活躍2−2」みたいな文字が。  えー……。  なんだか近来まれに見る脱力感を味わうことができましたよ!  いやあ、テレビ局様に逆らっちゃいけませんね。わしら愚民は、与えられる番組を、ただひたすらありがたがって拝聴させていただいているのが一番平和で安全なんでしょうね。はいはいわかりましたわかりました。  なんでクロアチア戦が民放なんだろう。全部NHKでやってくれればいいのになあ。え、クロアチア戦もNHKでやるって? ハイビジョン入らないんだよウチはよッ。...

年末年始電視視聴録(2)スポーツ系

 大晦日の格闘技は録画して後日みたのであった。 「K-1」のほうが放送時間が短かったのでそっちを先に再生。正式タイトルは「K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!」。盛り上げVTRや選手入場なんかはがんがんとばす。HDDレコーダーの威力がここに(笑)。だって引っ張りすぎなんだもん。  で、もちろん詳細などおぼえてはおらぬ。  曙vs.ボビー・オロゴン。インパクトだけはあったな。そのインパクトのせいで他の試合の記憶がなくなっているのかもしれない。  もうそろそろやめたほうがいいんじゃないかアケボノ。なにやら醜悪な生物(「餓鬼」の絵を思い出したよ。足だけがひょろりと長く、腹から上がふくらんでいて)がぶよぶよとのたうちまわるのを見せられたという感想しかないなあ。押し倒して相手の顔を肉で覆ってしまえば、すぐに窒息させられそうだがそういう戦法はだめなのか。 「PRIDE」なんか5時間ぐらい放送してたぞ。それだけ時間をかけて、試合数は同じなのだなあ、「PRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI-」。ええと小池栄子が司会やってたのはこっちだっけか。  俳優のヒトがかわいそうなことになっているのを見て、なんだかかったるくなり、とりあえず先に吉田vs.小川だけみて、あとはいつかでいいやと早回し早回し。5時間の最後の10分ぐらいか。壮絶な「引き」ですね。ほう、そうかそうか。  気づいたことがひとつ。  おれ、格闘技にさほど興味ないんだわ。いや、それはちょっと違うか。興味がないわけではないが、テレビ的演出にはついていけないんだな。歳をとってせっかちになったのかもしれないけどさ(老人かよ)。3時間なり5時間なり、テレビの前におとなしく座って、合間合間のVTRやら控え室風景やらを見せられ、タレントのコメントやらやたらうわずったアナウンサーの「CMにつづいて、ついに誰それがッ!」を聞いていられるほど気が長くないんだなあと。  正月のスポーツ番組、あとは箱根駅伝ぐらいでしたでしょうか。でも復路のほうが面白かったんですね。往路しかみてないです。走ってるだけなのに、なぜ見ちゃうんだろうなあ駅伝とかマラソンとか。これまたアナウンサーがバカみたいに喋り続けるようになってきたからうんざりすることもしばしばではあるが。  子供のころは親がマラソンなどを見ていると、「なにが面白いのだこんなもの。ただひたすら走っているだけなのに」と思っていたものだったがなあ。  結論:人間だれしも歳をとる。...

年末年始電視視聴録(1)紅白歌合戦

「紅白歌合戦」(NHK)  去年の紅白は、いちおう一通りみた。みたというか、つけっぱなしだったというべきか。  総合司会がみのもんた、紅組が仲間由紀恵、白組が山本耕史。統一性のまったくない司会陣。いちおうNHKの女性アナもいたが、誰だっけか、もう忘れている。あまり存在感なかったな。どうせなら加賀美さんあたりを起用したほうがよかったのではなかろうか。もう引退されてますかそうですか。  仲間由紀恵は、ドラマでもそうだけど、司会やってもやっぱり仲間由紀恵でしかなかった。いや、悪い意味じゃなくて。いい意味なのかと問われると困るが。大河ドラマがんばってください。  山本君は「新選組!」と「新選組!!」からの起用でしょう。一生前川清にからかわれるネタを提供しておりましたが、都はるみ呼び間違え事件よりは罪が軽かろう。  正月には手術が待っているというみのもんたが、本番中に倒れることを期待したのは俺だけか。これまた、煮ても焼いてもみのもんたなんだなあと。少なくとも運営というか進行というか、そのあたりはさすがベテランだ(みていて気持ちいいかどうかは別にして)。  で、肝心の歌のほうですが、わはははは、知らない人ばっかりでした。女性ひとり歌い熱唱系の人たちなんか、みんな同じにみえたしきこえた。期待していたエロかわいい(んでしたっけか?)倖田來未は期待ほどではなかったのう。NHKだからしょうがないのか。おー、これが鈴木アミーゴというひとですか歌下手っすね。  そういやアリスが出てたなあ。演歌の堀内がアリスの堀内として出場。みんな生きていてよかったよかった。松任谷由実が上海から中継するも、愛・地球博の歌でつまらん。お祭りっぽくないじゃないか。今さら渡辺美里にまーいれぼりゅーしょん♪とか歌われてもなあ。あれか、スキウタってやつか。俺が子供のころ、なんで日頃のテレビにも出ていないわけわからん歌手が出てるんだろう、などと思ったものですが、その逆の立場になったわけですね。うちの高一の娘が「なにこのおばはん」っていってたのも仕方あるまい。いませんけどね、高一の娘。  結局、モーニング娘。みたいなおおぜいでにぎやかにやるもののほうが紅白っぽいってことでしょうか。ゴリエとかね。バカっぽいけど楽しくてよろしい。熱唱激唱で聴かせるものばっかりだとつまらんのです。  どうでもいいが、ATOK2005ってすごいな。一青窈も倖田來未も浜崎あゆみも一発で変換するよ。モーニング娘。なんてちゃんと「。」つきだよ。氣志團もいちおう第一候補は「騎士団」だけど、ちゃんと次の候補に入ってるよ。  そんなこんなで大晦日も終わりに近づき、トリは天童よしみの「川の流れのように」とSMAPの「Triangle」。おお、中居くんの音痴ぶりに磨きがかかっておる! いい加減なんとかしてはどうだろうか。司会業に専念ってことで脱退して、別のメンバー入れるとか。「荒井注out/志村けんin」みたいな感じで。ドリフかよ。  えー、このSMAPの歌の時が最高視聴率だったそうで、案の定結果は白組の圧勝。SMAPファンというかジャニーズファンおそるべし。  ケータイ投票では1706票差、デジタルTVでは3294票差、会場では470票差がつきましたとさ。デジタルTVっつうのはアレですか、双方向通信のやつですかね。一家につき一票ですよね、きっと。これはもうアレだな、ジャニーズファンの娘が「白組に入れないんだったら家出してやるから」とかいって親を脅迫しましたね。さすがにそこまではしませんわな。「白組に入れないならカレシと初詣いくもんね」ぐらいで。  まあそんなわけで、デジタルTV導入すれば家庭円満という結論でございます。めでたしめでたし。そんな無理矢理な。...

俺の話をきけ

宮藤官九郎『タイガー&ドラゴン』(角川書店/1700円)  テレビドラマ『タイガー&ドラゴン』のシナリオです。全11回のシナリオに加えて、元になった落語11篇も収録。テレビドラマのシナリオなんて誰が買うんだよ。俺か。  笑って泣かせる小虎(虎児……ドロップアウトしたヤクザ)と小竜(竜二……ドロップアウトした落語家のものがたり。ドラマでも充分楽しみましたが(欠かさず録画してしまった。が、一度だけ野球中継が延びて途中で切れていた。くっそう)、見られなかった分もふくめて文字でも読んでみた。  まだ記憶が新しいんで、よみがえるよみがえる。でもやっぱり映像でみたほうが楽しそうだな。DVD-BOXの魔の手が……。  後半の落語(ちくま文庫の『らくご百選』などから収載)も、知らない人には親切かも。子供のころ角川文庫の『古典落語』全10巻を読んでいた俺様(落語のLPも20枚ぐらいあったなあ)としては、なんか微妙。やっぱり最近の若い衆は落語なんかしらないのかねえ。昔だって、そりゃまあわざわざ“読む”なんてこたぁしなかっただろうけれど、テレビつけりゃしょっちゅうやってたもんだ。正月の寄席中継だってあったし(今もあるか)。もっとも、寄席があんなに狭いってのは行ってみないと実感できないかも。  いっぽう連ドラになる前の2時間スペシャル『三枚起請の回』が収録されていなかったのは残念。別売になってやがる。文庫になるときに一緒にするって魂胆か、角川め。  てなわけで口調がアレでございますが、ドラマを楽しめた人にはお勧め。奇しくも7月19日は宮藤官九郎35歳の誕生日。...

見せる見せない見る見ない

 てなわけで今年も、子供に見せるの見せないのというアンケート調査が発表された。 一番見せたくない番組は「ロンドンハーツ」 PTA調査(asahi.com:文化芸能)  去年も書いたんだけど(そうか、去年は6月に発表されたのだな。半月ぐらい早くなってるのは「くくく、これはけっこう話題に取り上げられるかも」と味をしめたに違いない。しらんけど)、今年はPTAが「子供に見せたい」番組も同時に発表している。去年は民放連が「子供に見てほしい」番組を発表してたんだよね(去年の共同通信の記事はもうリンク切れですが)。このへんも、いろいろ裏を想像すると面白い。  回答者は、小学5年生と中学2年生の保護者約4800人。で、「見せたくない」No.1は今年も『ロンドンハーツ』だ。あいかわらず見たことないなあ。今年もやっぱり感想は去年と同じ。「見せたくないなら見せなければいいじゃん」ということだけ。親がいやがるものほど子供にとってはおもしろいのだから、永遠のテーマですな。がんばってくれたまえ。きっとなにもがんばらないんだろうけどさ。  それよりイヤなのが「子供に見せたい」番組のほうだな。  1位が『プロジェクトX』(NHK)か。いかにも、だな。きっと、努力とか開発とか、そのへんを学んでほしいなんて思ってるんだろうなあ。前のエントリーでもちょっと書いたが、子供を“ただしい方向に導きたい”(悪くいえば、親の好みの方向へ進むようにコントロールしたい)のだとしても、テレビにおまかせって、どうよ。『プロジェクトX』を見せていれば子供はまじめなエンジニアをめざすけど、『ロンドンハーツ』を見てる子供は不真面目な人間になってしまうとか思ってるのか。  よくも悪くも、親の影響のほうがテレビより強いと思いますが。 『どうぶつ奇想天外!』(TBS系)や『3年B組金八先生』(TBS系)も、いかにも親のファンタジーって感じで笑える。4位の『ニュース』に至っては、あきれてものも言えない。お父さんお母さん、あんたたちそんなにニュースが好きですか。たしかに子供向けの番組は大人にはつまらんだろうし(子供向けだもん当たり前)、おれとてギャーギャー番組よりニュースのほうがいい。けどさ、それと「子供に見せたい」ってのとは別じゃないの? 『週刊こどもニュース』(NHK)見なさいなんていわれたら(小5ならともかく中2で!)、おれはグレるね。 『伊東家の食卓』(日本テレビ系)ってのもなあ。貧乏でも工夫してなんとかしなさいという教訓でも与えようというのか。  なんともはや。  しかしこんなことをダラダラと書いていても、ふと気づけば「「見せたくない」と「見せない」 〜子どもに「見せたくない」TV番組をめぐって:きょうのわたくし」にすべて書かれていたのであった。この記事にはもう、全面的に泣きそうなほど同意。  孫引きになっちゃうけど(元記事はもうリンク切れ。早っ)、 メディアをめぐる家庭内のルールは、テレビ視聴について小5の68%、中2の88%が「親と決めたルールはない」と回答。ネットについても「親と決めたルールがあり、大体守っている」と答えたのは、小5で30%、中2で16%にとどまった。 これじゃあね……。ほんと、重要なことは報道しないんだなあ。7割の子供が好き勝手なテレビを見られる環境にいるのに、親はそんなことは1ミリもおかしいと思ってなくて、「これは××ちゃんに見てほしくないわ〜、こんな番組なんてなくなればいいのに」「○○にはこういう番組を見させてだな、将来の日本を背負っていくようになってほしいものだ」などとこっそり思ってるだけってのが、大笑いでございます。  いやほんと、上の「きょうのわたくし」のエントリーは、たいへんおもしろいので、ぜひご一読を。てか、おれがあれこれ書かなくても、紹介するだけでよかったのかもしれない五月晴れの夕方。...

プロジェクトエキス

 昨日(もうおとといだが)のNHK「プロジェクトX」にはやられた。  ほんとはね、例の工業高校合唱部のことがあったので、なんかエクスキューズするかなと意地悪い気持ちで見始めたんですよ。戦後の離島医療なんて、大変だっただろうけどそんな「技術!」「発明!」「営業!」ってもんじゃないだろうしね。  で、沖縄復帰前の公衆衛生看護婦の話。はじまって早々にやべえと思いながらも、やめられなかったな。やはりやばかった。うるうるうる。  非常にプリミティブな感想だが、女のひとってすげえと思った。いや、男だっていたのかもしれないし、そうやって男女を区別して考えるのも問題なのかもしれないが、でもそう感じたので仕方ない。  だって沖縄の離島にいって「駐在」して、そこの医療とか衛生とか予防とかやってんだぜ。まあみなさん沖縄に縁のある人だったようだけど、それにしても。  チームのトップだった人はもう90歳ぐらいなんだけどぴんぴんしてるし。スタジオにゲストで出た人は子供三人いて、次男がポリオで右足が不自由だったんだけど、すがる子供をおいて仕事に出て行くわけね。そしたら今、その次男の人はアメリカでお医者さんですよ(長男の人は琉球大学教授)。  なんかね、子供に見せたい番組とかいってる場合じゃねえだろ、と。「子供は親の背中を見て育つ」ってそれは子供が言うべき台詞であり(長男か次男かどっちかが、親の背中を見て育ちましたねえとか言ってたよ)、親が子供をほっぽらかしてるエクスキューズにしてちゃいかんよと。  まあそんなことまであれこれ考えてしまった番組であった。  こないだ子供に見せたいの見せたくないのってアンケートをやってたようなので、それにからめようと思ったのだが、それはまたいずれ。...

みてないドラマの脚本 II

宮藤官九郎のことの続き。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツ」「タイガー&ドラゴン」

みてないドラマの脚本

宮藤官九郎のこと。「ぼくの魔法使い」

昔も今も萌える

 昨日の夕方、日本テレビ「真相報道バンキシャ!」を見ていたら、秋葉原のメイドカフェについてのレポートをやってましたです。ああいうもんだったのか、すげえ。  あ、いや、メイドカフェ(っていう呼びかたでいいんですか、よくわかんないですけど)の特集というより《萌え関連株》《萌え市場》みたいなことが中心だったのか。番組の内容については、こちら(えたーなるすのー)の2005.4.17 20:40付Specialが詳しいので見てないひとはごらんくださいです。  経済効果とかそのあたりはどうでもよくて、やっぱり目を奪われたのがほんとのメイドカフェの様子。うわさには聞いていたし、小説なんかでも読んだことはあったけど(石田衣良の『アキハバラ@DEEP』とか)、実際のお店を検索してみたりしたことはなかったので、ある意味でとても新鮮でした。  ま、ようするにメイドさんのかっこうをしたウェイトレスがいる喫茶店(番組で紹介された店のメニューはこんな感じ)で、いくと「お帰りなさいませご主人様」とかいわれて、追加料金でゲームしてもらったりするという、健全なんだか不健全なんだかよくわからない商売なんですが、ああ、こういう世界もあるのだなあ、とふつうな感想をもったわけでした。行こうとは思わないけど、いろんな趣味嗜好があるからねえ、という程度。  番組では実際にそういうとこで働いている人がスタジオに呼ばれていたりして(ここらへんに写真あり)、ゲストの塩ジイは「わからん」とかいってたような気がする。で、そのとき思ったのは、「そんなに特殊なことか?」ということ。  たとえばいい年したおっさんが銀座のバーだのクラブだのに(会社の金で)通い詰めて、「あら、ターさんお久しぶりネ」なんて言われてにやけるのと、同じ構図なのでは。自分を特別扱いしてくれて、ちやほやしてくれる。その疑似恋愛の対象と過ごす時間を金で買って楽しむというのは、昔だって今だって、若いオタクだって中年老年の男だって変わりないんじゃなかろうか(それが使用人と雇用者の関係を模したものだというところは新しいかもしれませんが)。ああ、女性がホストクラブに通うってのもあるな。みんな同じだな。  塩ジイみたいな80を過ぎた老人だって、きっと昔はもっとおおっぴらに芸者遊びをしたりホステスと仲良くしたりしてたんだろうになあ。  そこに介在する金額が少ないうえに、求めるものもあからさまな肉体関係とかではないところで満足してる(してないのかもしれないが。でもきっと妄想だのなんだので満たすんだろうと推測してみる)ということを思うと、ホステスやホストにはまる人たちよりはかわいいもんだという気もする。  理解できないのはしかたないにしても、それを自分の経験と照らし合わせて類推するぐらいのことはしたほうがいいと思うぞ塩ジイ。  塩ジイが奈良の強烈な騒音おばちゃんについて「キチガイ」といってしまったり、なかなかおもしろいというか興味深い(現場は大変だろうけどな)番組でありました。...

クッキーモンスターの虐待に反対します

 ならのさんとこの《虫のいい日々:マペ権侵害じゃないんですか》で知ったんですが、世にも恐ろしいニュースがッ! 「セサミ」も健康志向に=モンスターがクッキー卒業−米(Yahoo News:時事通信 05/04/09)  それってどうよ。クッキー食べないクッキーモンスターってありですかね。血を吸わない吸血鬼みたいなものか。カウント伯爵もHIV感染を避けるために血を吸わなくなりましたなんてことになるのではないか。まああの人は処女の生き血より数を数えることの方が好きそうだが。だがしかし、クッキーモンスターはクッキーが好きなのに。死ぬほど好きなのに。 クッキーモンスター、偏食改める(TBS:News Eye)  では、クッキーモンスターが、偏食をやめてヘルシーにと、 野菜や果物も食べ始めました。 とあるわけですが、ヘルシーって……。それは“人間にとって”ヘルシーなだけであって、モンスターは人間じゃないんですけど。子供たちの肥満傾向を懸念した 制作者側が、「甘いものは程々に」との メッセージを込めたものです。 ええええええ!? 人間の子供の肥満のために、クッキーモンスターからクッキーを取り上げるんですかあ? いろんな人がいるってことを教えるのが『セサミ・ストリート』じゃなかったのかよう。黒い人白い人黄色い人大きい人小さい人しゃべれない人いろんな人がいるけど、まあ世界ってそんなもんだよね、という番組じゃなかったんかい。そしてその中にはクッキーで生命維持してる人もいる、と。いやそうじゃないのかもしれんがな。でっかいダチョウのおばけみたいなのとかマンモスのできそこないとかゴミ箱に住んでるやつとかカエル男とかブタ女とか(ひどいこと言うなよ俺)、いろいろいていいのだという世界観がいいと思うんだけどなあ。  たしかに子供はテレビでみたキャラクターの行動を模倣したがるかもしれないけれど、それを是正してやるのは親の役目だと思う。クッキーモンスターがクッキーをばりばり食ってるから自分もクッキーばりばり食いたいという子供がいたら、「彼はそういう生物だからいいのだが、おまえは人間なのだからクッキーだけ食べて生きていくわけにはいかんのだよ」と言うのが親のつとめではないのか。  なんとも釈然としないニュースなのでありました。...

その感覚がはてなです。

05/2/22付けの朝日新聞29面、「きょうの番組」欄にある「はてなTV」という質問コーナーが脱力ものであった。 Q どんな女の子?  パスコのCMで小林聡美さんと共演している、とってもかわいい女の子が気になっています。どんなお子さんなのか教えてください。大阪府 ●● ●● 主婦・30歳えー、かわいいですか、あれ。ほんとに? 私としては、近来まれにみる不快なコマーシャルのひとつだけどなあ。あの甲高い声、甘ったれていてかつ図々しい口調、子供のイヤなところがぞんぶんに発揮されてはいないか。子供が嫌いだ苦手だという人は、要するにあのCMのような子供が嫌いだったり苦手だったりするのだと思うがどうか。 すくなくとも俺は、あのCMが流れたらすぐチャンネルを変えるか別のことをして意識から遠ざけるようにしている。うげえ。 だからね、あの子役について教えてくれなんて質問は、ぜったいやらせだと思いましたよ。、子役の親が、親戚の名前でも騙って《かわいい女の子》だとアピールしたいんだろうなと。そんなことするくらいだから、きっと評判が悪いんだろうなあとも。 ええ、ええ、心が狭いですとも。 ざっと検索してみた。アレが「かわいい」「女の子がほしくなる」(そんなことでかい!)みたいな意見もあるようでびっくり。俺にはわからない世界だ。というか俺のほうが異端なんですかそうですか。そりゃすまなかった。 でもけっこう人気あったんだー(なげやり)。 とりあえずPascoのサイトにあるCMプレビューのページでみることができますんで、みたことない人はみてきてちょ。「超熟スティック」の1本と「春のキャンペーン」2本な。 かわいかった? あっそ。さいなら。...

プロフェッショナルX

そんな今日の(昨日の)『プロジェクトX』(NHK)。こういうのをやってくれちゃうから、受信料支払い拒否までは踏み切れないんだよなあ(そうですこう見えてちゃんと払っているのです)(どう見えてるのだ?)。 今日のテーマは、「地下鉄サリン 救急医療チーム 最後の決断」。10年前の地下鉄サリン事件が怒った時、もよりの総合病院であった聖路加国際病院がどのように運び込まれる患者たちに対応したか、というものでした。 こういう話、弱いのよ俺。...

入れ墨は病院で!?

入れ墨っていうか刺青っていうかタトゥーっていうか(ロシアの二人組ではない)、とにかくあのアレのことなんですが、こんな記事がありました。 女性に人気の「タトゥー」ご注意 C型肝炎の感染例も(asahi.com : 社会) で、それ読んで初めて知ってびっくりしたんですが、 タトゥーは、針で皮膚を傷つける行為なので、医師免許を持たない者が従事すれば医師法に違反する。 そ、そうだったんですかッ! ちうか、お医者さんの資格を持ってないとあれやっちゃいかんわけですか。お店でやってもらったお客さんは罪に問われるわけじゃないんですね。こないだのテレビドラマ「タイガー&ドラゴン」(1/9放映。おもしろかったです)には入れ墨入れてる人がいっぱいでてきましたが、あのなかでは彫師の人だけ違反者であると、そういうことですか。 しかしまあアレです。「T&D」みてなかったら注目しなかった記事なので、こういうデトロイトロックシティじゃなくてシンクロニシティは面白いなあと思う次第であります。...

山南さん

やばい、今日の「新選組!」はやばい。泣けた。 山南敬助が切腹する回なんですが、なんか、よかったですよ。愛人・明里との最後の(最後のひとつ前のも)やりとり、効きました。うーん、たまらん。今年の大河ドラマで一番よかった回かも。 上記NHKサイトでは山南特集もあり(笑)。...

うどんー

昨日(もう一昨日)放送した時には見られなかったので、さっき再放送を見たわけです。今週の「プロジェクトX」。テーマは讃岐うどん(用の小麦)。 食いてえー。 おなかすいた。さっき晩ご飯食べたばっかじゃん。でも讃岐うどん食べたくなりました。最近会社の近くに讃岐うどん屋さんができたので、しばしば食べてはいるのですが……でもすぐ食べたい。立て続けに食べたい。と思うのでありました。 料理番組じゃないのに食欲そそられるっていったいぜんたい(笑)。...

見せたい? 見せたくない?

ロンドンハーツがトップ 見せたくない番組(共同通信) 見てもらいたい番組を発表 民放連(共同通信) 16日には日本PTA全国協議会が子供に見せたくないテレビ番組のアンケート結果を発表し、18日には民放連が青少年に見てほしい番組を発表。どんな掛け合いなんだか。 小5と中2の子どもをもつ親が見せたくない!のは…… 見せたくないとした親の17%が「ロンドンハーツ」を挙げ、次いで「水10!」が13%、昨年トップの「クレヨンしんちゃん」は11%、「志村けんのバカ殿様」が7% 民放連が青少年に見てほしい!のは…… キー局では「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ)や「ドラえもん」(テレビ朝日)「伊東家の食卓」(日本テレビ)「世界・ふしぎ発見!」(TBS)などを推奨...

ドラマみたいな恋したい

じゃなくてドラマみたいなヤツいない、でした。 土方歳三の恋人は12人 豆本復刊 なにかと思えば、新選組の逸話をあつめた「新選組余滴」という豆本を復刊させたというニュース。 しかしこの記事はひどいね。まあどうやら「雑記帳」というコラムらしく、断片でしかないのだが、ロクな情報は入っていない。そのくせ頒布の申込先だの価格だのはのっている。(復刊させた)小島さんは近藤勇の弟子、小島鹿之助の子孫。新選組結成前、近藤が養父母の家出に困り、鹿之助に助けを求めた話など4話を追加した。とあるが、じゃあオリジナルを書いたのは誰なのか、24年後に追加された4篇は誰がどのような資料をもとに書いたのか、まったくわからん。わかんなくてもいいけどさ。...

中村うさぎは小説に向いてない?

中村うさぎ『月9』(朝日新聞社)読了。“業界騒然の超モデル小説!”とオビでは煽っていますが、どうにもこうにもひどい。考えてみれば中村うさぎの「小説」を読むのは初めてなんですが、この人もともとはジュニア小説でデビューしてるんだよねえ。こんなんでよくやっていけたものだ。こんなんだからやってられた……とは思いたくない。 月9とは月曜夜9時からのテレビドラマの別名で、こないだまではキムタク主演で「プライド」っつう制作者のプライドはどこにといいたくなるようなやつをやっていた、その枠です。フジテレビ以外の月曜9時枠も月9と呼ぶのかどうかはしらない。 で、そういう枠の脚本を書けるようになると脚本家としては一人前なんでしょう、たぶん。だいぶ売れっ子ってことだよね? この小説に出てくるのは、中堅どころの脚本家で、ひとりは落ち目、ひとりは上り調子。ねたんだり足をひっぱったり悪い噂を流したり男を奪いあったり呪ったりと、まあどこにでもあるようなことがあるわけですが、そこに南米土産の呪いの人形をからめてサイコサスペンスっぽくしてみましたー、という感じです。 ……屁のつっぱりにもならねえ。 業界を騒然とさせるならもうちょっとリアルに書いてくれ。大物脚本家長本詩織ってのは橋田壽賀子なのか? ちがうのか。もうちょっと若めか。自サイトで自作自演自画自賛したというテンパっちゃった脚本家は出てこないのか(笑)。 「あんたは私の犬よ!」ってせりふは、岩井志麻子が島村洋子に言われたってどこかで読んだ気がするが、それがヒントになったのかな。 文章だって、エッセイならいいが小説でこれじゃあなあ。もうちょっとなんとかならないものか。頭から、ざばりと冷水を浴びせられたような気がした。(p211)ださ……。いやこれくらいは別に問題でもなんでもないんですが、ちょっと目についたので。もっとすごいのがあったような気がするんだけど、別の本かもしれない。調べる気力もないからまあいいや。 エッセイは嫌いじゃないんだけどね。まあテレビにもがんがん進出してるみたいだし(NHKの新番組「今夜は恋人気分〜とっておき夫婦物語〜」の司会をやるようです。それにしてもすげえタイトルだな)、あんまり小説には力入れなくてもよさそうな感じが。...

いかりや長介さん死去

土曜の夜、『チューボーですよ』を見ていたら、ニュース速報が。「いかりや長介さん死去 「全員集合」、ドリフのリーダー」(asahi.com見出し)。 がーん。 まあいつかは誰もが死ぬわけですが。あの当時、全国の小学生のほとんどが、ドリフにハマっていたのではないか。世代によって、カトちゃんの「駐在さん」や「ちょっとだけよ」、荒井注の「なんだ馬鹿野郎」「じすいざぺん」、志村けんの「東村山音頭」「カラスの勝手でしょ」などなど、ハマりどころは違うかもしれないが(なにしろ『全員集合』は16年間、計803回も放送されたのだ、放送開始時の小学生と終了時の小学生で親子であってもおかしくない。昭和44年に6年生12歳なら終了時に28歳だもんな。6歳の子供のお父さんお母さんっていうのは充分アリだ)、日本国民のかなりの割合がドリフに親しんだはずだ(無視できずに敵視・攻撃していた人たちも含めればもう大変なことに)。 しかもその後は俳優としても大活躍してたんだからなあ。ドリフは知らなくても、織田裕二やキムタクの若いファンのなかにはこの渋いおじいさん俳優に注目してもいた人も多かったに違いない。 チョーさんといえばただいま闘病中のアテネ五輪日本代表野球総監督氏、という人もいるだろうけれど、私にとってはやはりチョーさん=いかりや長介がまず浮かぶ。 ご冥福をお祈りします。 「おいーっす」...

ぷらいどぉ

さて木村拓哉主演のドラマ『プライド』である。こここここれは懐かしのスポ根ドラマなのか学芸会なのか中学生日記なのかと思いながらも、わざわざビデオに撮ってまで見てしまっている。さすがだ。ってなにが。 今回は正統派恋愛ドラマになってた。“恋愛ゲーム契約”(この恋人契約というのがまた古めかしいっていうかダサい)から本当の恋人同士になろうかというときに、女のほうの遠距離恋愛相手が帰国。動揺する女。それを受け止めて新しい関係に踏み出そうとする男。加えてなんとも古典的な“すれ違い”。そして別れ。 いやもうたまりません。そこまで笑わせてどうしようというのか。 しかし主演男優、よくこれを呑んだなあ。いちおう彼的には“カッコイイ”んだろうか。マザコンやんちゃ坊主なイメージでいいのか。『グッドラック』で操縦士をやって、その次がこれか。30歳であれでOKなのか。むしろ木村拓哉の役者としてのプライドはどこに……いや、大きなお世話か。それもそうだな。 しかし。せっかくアイススケート練習してるんだったら、もっと違う方向性があっただろうに。さすがにポール・ニューマン主演『スラップ・ショット』というわけにはいかんでしょうけど、でもほら、アレがあるでしょ、アレが。 これ。これとこれ。ね。CMでも先生みたいなことやってるし。いいんじゃないかと思うんだがな。国民的英雄になれそうだし。 どれだけひどいリメイクにしてくれるかという楽しみも、あるにはあるんだけどさ。 ま、どうでもいいことだが。...

教育だのなんだの

『TVタックル』(テレビ朝日)は教育問題でした。なんというか……たしかにひどい教師が増えていると思うし(いや過去にもいたけど問題になってなかっただけかも?)、教師にかぎらず警官だってアレだし、もう、昔ながらの正義の人というのはあり得なくなりつつあるのかもしれない。 しかし。 それにしてもしかし、親の教育、家庭での教育はどうなっているのかと思う。親が金を払い、教育者はそれを受け取って「教育」というサービスを提供する、だから親は「教育」しなくてもいい、とか思ってんじゃねえのかと。しかも親は「しつけ」レベルまで教育だと強弁して学校に押しつけているのではないのかと。 どうでもいいんですがね。俺が死ぬまでのあいだ、とりあえず社会が成り立っていてくれるならば。...

テレビ東京

12チャンネルをぶっつづけて見てしまった。 「ポチたま」スペシャルと「でぶや」スペシャル。 どうかと思う。われながら。...